岐阜らしさってなんだろう
(WorksのHISTORY PaleAleの続きです。ぜひ投稿も見てくださいね!)
岐阜のクラフトビールを作る際に言われた、「岐阜のニュースタンダード」というお題は、フリーランスとして岐阜に戻ってきて10年をそろそろ迎える自分にとって、改めて向き合うべき課題でした。来るべくして来た課題というか。
岐阜らしさ。僕は今でも関西を行ったり来たりしているので、ちょっとした「よそ者」志向があります。僕の周りの先輩たちはほぼ全員岐阜を軸足にしていて、そのプライドを持っています。自分にはその感覚はなく、ちょっとした寂しさと同時に自分に見える視点もあるよなと思ったりしていました。
そんな中の課題ですから、まずは験担ぎとして金華山に登らないといけないのです。大河ドラマ『麒麟が来る』で湧いていた時期。信長が見ていた岐阜の絶景を見に行かねば。
依頼主のSさんは岐阜城の歴史を語り継ぐ人。NHKで放映している『有名なサングラスの方が街をブラブラ歩き、歴史を探る番組』にも出た人です(笑)。その人の贅沢な解説とともに金華山を歩きました。
じゃあビールのデザインはどうしようね。なんて話しながら山頂にて見た景色がこれです。
もう、自然と答えが出た瞬間でした。感動して言葉になりませんでした。岐阜の人たちが岐阜を好きな理由は、この景色に集約されるわけです。この景色が見られるのはきっと、岐阜が大好きな人たちが大切に大切に守ってきたからなのです。
新しいスタンダードであっても始まりは岐阜を愛する気持ち。その気持ちを紡いできた歴史の果てに、いまのスタンダードがあるに違いないのです。
ここに至るまでに積み重なってきた歴史の象徴として、現在重要性が見直されている石垣を選びました。積み重なった大きな石ひとつひとつが物語る歴史。その圧倒的な迫力をそのまま岐阜の魅力のニュースタンダードとして提示させました。もうここまで自然と出てきたわけです。
その後、このビールが提供されたオンラインイベント『ギフのWA!』は大成功で終了し、『麒麟が来る』に出演した俳優さんがこのビールで乾杯の音頭を取ってくださり、無事に完売となりました。
でもこのストーリーで出来上がったビールは、ここで終わってはいけないですよね。また改めてこのビールをアナウンスできる日が来ることを楽しみにしていてください!